『鈴木ごっこ』軽やかに読めてしっかり裏切られる物語

小説
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鈴木ごっこ (幻冬舎文庫) [ 木下半太 ]
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内容☺︎

「今日から、あなたたちは鈴木さんです」。巨額の借金を抱えた男女四人が豪邸に集められた。彼らの責務は、ここで一年間、家族として暮らすこと。見知らぬ者同士が「家族ごっこ」に慣れてきたある日、貸主から次なる命令が下った。失敗したら四人に未来はないー。貸主の企みの全貌が見えた瞬間、想像を超えた“二重の恐怖”がつきつけられる!

感想☺︎

木下半太さんの作品は、読むたびに「やっぱりこの人の物語はおもしろいな」と思わせてくれます。

今回の『鈴木ごっこ』も、序盤はテンポよく物語が進んでいき、「これはどう繋がるんだろう?」という小さな疑問を抱えながら読み進める時間がとても心地よかったです。

そしてやはり最後に用意されている“そういうことだったのか”という種明かし。

木下さんらしい見事なひっくり返しが今回もあり、読み終わったあとに思わず「やられた」と声に出したくなるような一冊でした。特に、最終的に“これは騙されていたのか”と気づく瞬間は、ちょっとしたスリルとともに爽快感も感じられました。

ページ数も多くなく、テンポの良い文体のおかげで、重さを感じずにスーッと読み進められます。忙しい日でも読み切りやすいのに、しっかり満足感が残るのがこの作品の魅力だと思います。

木下半太さんの安定感のある面白さと、最後に必ず驚かせてくれる構成が好きな方には、ぜひ手に取ってほしい一冊でした。

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